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<6.「だ液」の神秘とそのパワー>
だ液の二つの大きな役割
生まれたときのから常に口の中にある「だ液」。あまりにも身近すぎてその存在を意識することもなかったかもしれません。あたり前に感じていたその「だ液」が人間の健康にとって非常に重要な役割を果たしてることが最近の様々な研究によって明らかになってきました。

●サラサラだ液とネバネバだ液

だ液が造られるだ液腺は口腔内に複数あって、そこからだ液腺導管を通って口腔内に分泌されます。
だ液腺には三大だ液腺と呼ばれる「耳下腺」、「顎下腺」、「舌下腺」と唇の裏や口蓋(上あご)に多数分布する「小だ液腺」があり、それぞれの部位から分泌されるだ液にサラサラとしただ液とネバネバとしただ液の2種類があります。

●それぞれ異なるだ液の特性

サラサラだ液(漿液性だ液)とネバネバだ液(粘液性だ液)はそれぞれ異なった成分・働きを持っていて、食事時など刺激を受けたときに分泌されるだ液(反射だ液)とそうでないときのだ液(安静時だ液)ではサラサラとネバネバの割合が異なり、反射だ液では安静時だ液に比べてサラサラの割合が多くなります。

サラサラだ液(漿液性だ液)消化吸収を助け、体内の働きをサポート

だ液の分泌は自律神経によってコントロールされており漿液性だ液は主に副交換神経(※1)のコントロール下にあります。そのため、リラックスしている時に分泌されやすく、緊張状態やイライラしていると分泌されにくいという特徴があります。
また、このだ液は食事時に多く分泌され、だ液アミラーゼ(※2)(プチアリン)などの消化酵素が多く含まれると共に、食べ物を湿らせて飲み込みやすくする、口腔内を洗浄して中性に保つ性質があります。

※1 副交感神経・・・自律神経のひとつ。リラックスしているときに働く。
※2 だ液アミラーゼ・・・だ液に含まれるアミラーゼであり、でんぷんを分解する消化酵素。プチアリンともいう。

ネバネバだ液(粘液性だ液)進入してくる細菌と戦い、健康を守る

粘液性だ液の分泌は、主に交感神経(※3)によってコントロールされています。そのため、緊張状態やイライラしている時に分泌されやすい特徴があり、会議の発表など強いストレスを感じるときに口の中がネバつくのもこの働きです。
粘液性だ液には納豆やオクラなどにも含まれる、ムチン(※4)というネバネバ成分が含まれ、この成分は細菌を絡めとり体内へ侵入を防ぐほか、口腔内の粘膜を覆うことにより粘膜を傷つくことを防いだり、粘膜の保湿を行うなどの作用があります。

※3 交感神経・・・自律神経のひとつ。リラックスしてるときに働く。
※4 ムチン・・・粘性たんぱく質。全身の粘膜、眼球、消化器の内壁、関節液などはほぼムチンで覆われている。

だ液のチカラ
だ液のすごさは口の中だけではありません。体の様々な場所で健康を保つためにパワーを発揮しています。
こんな頼りになるだ液はどのように造られているのか?
そのヒミツを探ってみましょう。
1 腺房部が毛細血管よりだ液の成分を吸収 食事などの刺激、自立神経の働きによりだ液分泌の指令
2 腺房部で原だ液を分泌
原だ液
・タンパク質などの酵素
・ナトリウムイオン、塩素イオン
・水分
3 線条部導管を原だ液が通過するときイオン成分を吸収
口腔内へだ液放出
食べる
1日の生活の中で最も多くだ液が分泌されるのが食事のとき。
だ液は消化の手助けとなるだけでなく、食べ物を飲み込んだり、味を感じたりする際にもなくてはならない重要な働きを担っています。
食事をより美味しく、楽しくするためにもだ液の存在を欠かせません。

●消化を助けます

だ液にはだ液アミラーゼ(プチアリン)という物質が含まれています。
この物質は咀嚼された食べ物のデンプンを分解して麦芽糖(※1)に変質させ、より体内に吸収しやすい状態をつくりだします。

※1 麦芽糖・・・別名マルトース。糖のひとつで、水飴の主成分

●飲み込み易くします

食べ物は口腔内で咀嚼されるうちにだ液と混ざります。そうすることで食物の表面が柔らかくなり、楽に飲み込めるようになります。

●味覚のしくみ

食事の大切な役割はもちろん食べ物から栄養摂ることですが、味を感じて様々な食材、料理を楽しむことも食事の重要な要素です。
食べ物の味を感じるのは舌にある味蕾という組織で、その中の味細胞が味物質を受けることで“甘い”とか“苦い”などの味覚情報が脳へ伝達されます。食べ物の味はまずだ液中に溶け出し、それを味蕾が感知することによって初めて味の情報が脳へ伝わるのです。
そのため、もしなんらかの原因でだ液の分泌が少なくなってしまうと、物を食べているのに味がよく分からない、文字通り「味気ない食事」となってしまいます。

口腔内の健康を守る
口は直接外界とつながっており、多くのものが口から体内へと入ります。
このため、常に細菌や乾燥などにさらされる口腔内は、いわば外界の敵と戦う最前線基地のようなもの。
だ液は口腔内粘膜や歯を守るために様々な機能を備え、いつも口腔内の健康のために戦っています。

●守る!口腔防衛隊

だ液は外界から進入してくる異物を口腔内で食いとめ、排除する役割があります。

○口腔内粘膜を保護

だ液にはムチンという粘性たんぱく質が含まれています。ムチンは水分を多く含む分子構造をしており、粘膜全体を覆う性質を持っています。
口腔内粘膜の表面を覆ったムチンには乾燥を抑える保湿効果があるとともに、食物など外部からの刺激から口腔内の粘膜が傷つかないように保護する作用があります。

○細菌の繁殖を防御

だ液1ml中の約7〜8億個ある細菌を始め、口腔内には多種にわたる常在細菌が存在しています。これらの細菌は人が生まれてからすぐに繁殖し始め、お互いにバランスをとって共生しており、いざ外部から他の細菌が進入した際にはバリアとして機能しています。
しかし口腔内環境の悪化によりいったんバランスを崩すと、有害な細菌が増幅し、むし歯や歯周病、時には全身に関わる病気の原因となったりしますので、常に口腔内の洗浄を心がけることが大切です。

●歯は健康の要

歯は人の健康の基礎ととなる重要な器官です。だ液には歯を再生する、消耗を抑えるといった効果があります。

○歯の再石灰化

歯の表面はエナメル質という水晶と同様の硬さをもつ素材で覆われていて、鉄や金よりも硬いとされています。しかし、この硬いエナメル質も酸には弱く、酸が強い環境下では容易に溶解してしまいます。
むし歯の原因菌であるミュータンス菌などの細菌が、歯についた食べカスに含まれる糖を酵素えお使って分解し、酸に変化させます。このまま放置すると酸がエナメル質がとかしてむし歯へ進行していきますが、だ液にはカルシウムやリンなどのミネラルが多く存在しており、これが常に歯を修復しています。この働きのことを「再石灰化」といい、これによりむし歯の進行を防いでいます。

○pHの維持

再石灰化と同様に歯を守る大事な機能がpH(※1)緩衝機能です。通常口腔内は中性を保っていますが、食後などは非常に強い酸性の状態になる場合があるのでそのままでは歯が簡単に溶けてしまいます。
そこで、だ液中の重灰酸塩やリン酸塩といった成分が働いて、酸性に傾いた口腔内を食後30〜40分で食前の状態に戻し、むし歯になるのを防いでいます。また、だ液には食道が酸性になった場合にも中性にする働きがあります。

※1 pH・・・物質の酸性、アルカリ性の度合いを示す数値。pH7で中性を示し、pHが小さくなると酸性が強いとされ、逆に大きくなるとアルカリ性が強いとされる。

全身の健康を守る

だ液は口からの外敵の侵入を防ぐだけではなく全身の健康を守る働きもあります。
また、いいだ液がたくさん出るということはそれだけ身体が健全な証拠。
だ液と身体は切っても切り離せない深い関係なのです。

●不審者は体内へ入れない

○細菌進入を防ぐだ液バリア

人の身体で外側の部分は常に細菌などの外敵の侵入の危険にさらされています。そこで生態防御機能としてさまざまな抗菌因子があり、ライトフェリンや免疫グロブリン(lgA)などに代表される成分は、細菌の毒性物質を攻撃し、毒性物質の無力化を図るなどの細菌の増殖を抑制する働きがあります。
また、だ液中のムチンは食べ物の中の細菌を凝集させ口腔内から排出させる作用を持っています。

●いいだ液が若さを保つ

○老化防止

だ液にはパロチンといわれる物質が含まれています。パロチンは日本人(注)が発見した物質で、筋肉や骨の発達を促進するほか、白内障の進行を遅らせる効果があるとされ、医薬品としても売られています。
また、だ液中には成長因子であるIGF-1(※1)という成分もあり、健康の維持や老化防止に役立つといわれています。

(注)パロチンは、緒方知三郎氏(東京帝国大学医科大学卒・東京医科大学大学初代学長)によって発見されました。
※1 IGF-1・・・成長ホルモンの刺激の結果分泌される。人体の殆どの細胞はIGF-1の影響を受けている。

●噛めば噛むほど健康に

○活性酸素を減少

普段、口にしている食物の中には発がん性物質うを含むものが多くあります。だ液の成分にはそうした発がん性物質が発生させる活性酸素(※2)を減少させる機能も認められており、ペルオキシダーゼやカタラーゼ、アスコルビン酸(ビタミンC)といった成分が代表的な例です。さらによく噛むことで消化機能も促進され、顎からの刺激で脳も活性化され、脳細胞の働きが活発になり、運動・生理機能が向上し、結果として認知症になりにくくなるといわれてます。
健康のため、ぜひたくさん噛んで食事をしてください。

※2 変異原性・・・細胞の遺伝子を損傷して突然変異をおこさせる性質。

 
Q&A 一覧

1. 歯のかみ合わせと体の健康

2. 歯並びと症例

3. 歯周病(歯槽膿漏)と口臭

4. 虫歯の豆知識

5. 睡眠時無呼吸症候群

6. 「だ液」の神秘とそのパワー

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